2013年01月17日

『東京ロンダリング』(☆☆:小説おすすめ度)

『東京ロンダリング』は原田ひ香の小説。

<あらすじ>
死んだ人の部屋に住むのが彼女の仕事。自らの不貞で離婚をし、戻るべき家を失い事故物件に住むことを仕事にしたりさ子。移り住む先々で人と出合い、衝突することで彼女は何を手放し、何を取り戻したのか。人生再生の物語。

<感想>
貸していた部屋で、住人が死んでしまった場合、不動産屋さんは次の入居者に「事故物件」であることを説明しなくてはならない。ただし、入居が決まり、誰かが住んでしまえば、次からの説明責任は負わなくて良いのだそうな。そんな、ワケあり事故物件に住むことを仕事とした32歳女性(離婚歴アリ)の物語。「いつもにこやかに愛想よく、でも深入りはせず、礼儀正しく、清潔で、目立たないように。」これが、ロンダリング(laundering:洗浄する。浄化する。)の仕事の肝。これこそ都会で顕著な、表層的な付き合い方そのものです。どうせすぐに引っ越すのだから…と、谷中の事故物件”乙女アパート”に入居したときから、谷中の人々の愛情籠もったおせっかいに巻き込まれてしまい、ズルズルと彼女の心もロンダリングされていく。登場人物のひとりひとりが魅力的で、ホンワカとあたたかい気持ちになれました。 しかしながら、社会の実相をえぐり出す、というわけでも、はたまた人間の深層をあぶり出す、というわけでもなく、とにかく「さらさら」と川の流れのように展開が進み、読み応えが少し足りませんでした。せっかく掘り下げがいのあるテーマを見つけたのに、もったいないというのが正直な感想です。

〜『東京ロンダリング』、原田ひ香〜
posted by 推理小説家 at 09:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原田ひ香 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

原田ひ香

原田ひ香

原田 ひ香(はらだ ひか、1970年 - )は、日本の小説家、脚本家。神奈川県生まれ、東京都杉並区在住。大妻女子大学文学部日本文学科卒業。

2006年に第34回NHK創作ラジオドラマ脚本懸賞公募(現・創作ラジオドラマ大賞)に「リトルプリンセス2号」で最優秀作受賞。シナリオライターとして活動した後、2007年に「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。2010年、「30年目のブルーテープ」でBKラジオドラマ脚本賞に入選。
posted by 推理小説家 at 09:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原田ひ香 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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