2010年01月18日

宮部みゆき

宮部みゆき

宮部みゆき(みやべみゆき、1960年12月23日 - )は、日本の小説家。東京都江東区生まれ。
法律事務所勤務ののち、小説家に。1987年、「我らが隣人の犯罪」でデビュー。以後、『龍は眠る』(日本推理作家協会賞受賞)『火車』(山本周五郎賞受賞)『理由』(直木賞受賞)『模倣犯』(毎日出版文化賞特別賞受賞)などのミステリーや、『本所深川ふしぎ草紙』(吉川英治文学新人賞受賞)『ぼんくら』などの時代小説で人気作家となる。ほかに、ファンタジーやジュブナイルものの作品がある。

1960年12月23日、東京都江東区深川に生まれる。東京の下町に育ち、現在もそこで部屋を借り、仕事場にしている。江東区立深川第四中学校を経て東京都立墨田川高等学校卒業。裁判所速記官試験(現在養成中止)に不合格、中根速記学校で速記を学ぶ(速記検定1級取得)。23歳のとき小説を書き始め、法律事務所に勤務しながら、1984年に講談社フェーマススクール・エンタテイメント小説教室に通い、山村正夫などに師事。同講座の受講生に、篠田節子がいる。
1987年にオール讀物推理小説新人賞を受賞した短編「我らが隣人の犯罪」でデビュー。ただし最初に出版された書籍は、1989年に東京創元社から『鮎川哲也と十三の謎』の第5回配本として出版された『パーフェクト・ブルー』である。『魔術はささやく』『龍は眠る』(同年同日生まれの綾辻行人と日本推理作家協会賞を同時受賞)などの超能力を扱った作品が多かったが、1992年に発表した『火車』は、クレジットによる多重債務問題を描き出し、山本周五郎賞を受けた。ミステリーではその後『理由』で直木賞、『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞、『名もなき毒』で吉川英治文学賞を受賞。時代小説では、江戸に住む人々の人情を描き、吉川英治文学新人賞を受賞した『本所深川ふしぎ草紙』や、超能力ものの「霊験お初捕物控」、深川を舞台にしたミステリー『ぼんくら』『日暮らし』など。テレビゲームが趣味であり、プレイステーション2用ソフト『ICO』を小説化した作品や、『ドリームバスター』、劇場用アニメ化された『ブレイブ・ストーリー』などのファンタジー小説もある。
大沢在昌の主宰する事務所(大沢オフィス)に京極夏彦とともに所属。オフィスの公式サイト名は3人の姓から1字ずつとって「大極宮」という。コードネームは「安寿」。また、2005年夏公開の映画『妖怪大戦争』のプロデュースチーム「怪」の一員でもある。
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2009年08月06日

『火車』(☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『火車』(かしゃ)は、宮部みゆきの小説。社会問題としての消費者金融のありかたをテーマとしており、サラリーマン金融やカード破産などの借財に翻弄される女の生き様を、彼女のことを追い求める刑事の視点から描く。「小説推理」に1992年3月号から6月号にかけて連載され、1992年7月に双葉社より単行本が出版され、1998年1月に新潮文庫版が出版された。第6回山本周五郎賞受賞。「このミステリーがすごい!」ベスト・オブ・ベスト第1位。2008年に賞創設から20年間の1位に輝いた。

<あらすじ>
休職中の刑事、本間は遠縁の男に頼まれて彼の婚約者である彰子の行方を探すことになった。その過程で、登場人物たちのクレジットカードなどの借金に翻弄される人生が浮かび上がってくる。

<感想>
宮部みゆきと言えばミステリーやSF、時代劇と言った幅広いジャンルで活躍している人ですがこの「火車」という作品は宮部みゆきのミステリー世界を堪能するのに持ってこいのように思います。どことなく淡い感じ、しかし背筋を凍り付かせるような迫力があります。この小説は哀しい名作です。カードやサラ金地獄を背景に描かれる、現代の人間の悲劇を描いています。読み終わった時、言葉に出来ない割り切れなさを感じました。哀しいような苛立ち、それは何だったのでしょうか。本当に悪いのは、罪を犯した犯人ではなく、その人を犯罪へと追い込んだものたち。しかし裁かれるのはいつもその人だけで、犯罪へと追い込んだものたちは、その後も何も変わらずに続いて行く。一体、誰が彼女を責められるのか。誰も彼女を救えなかったのに。ちょっと冗舌なのが気になりましたが、おすすめの作品です。

〜『火車』、宮部みゆき〜
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2009年07月11日

『模倣犯』(☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『模倣犯』(もほうはん)は、宮部みゆきによる長編小説。2002年には映画化もされた。2001年11月、第55回毎日出版文化賞特別賞受賞。2002年芸術選奨文部科学大臣賞文学部門受賞。

<あらすじ>
1996年9月12日早朝、一家惨殺事件の唯一の生き残りである塚田真一は、犬の散歩中に、大川公園で女性の右腕を発見する。同じ公園からは、失踪したOL・古川鞠子のハンドバッグが発見され、マスコミが大騒ぎするなか、犯人を名乗る人物はテレビ局に「右腕は古川鞠子のものではない」という内容の電話を掛ける。さらに、古川鞠子の祖父の有馬義男のもとにも、犯人から電話があり、孫娘を心配する有馬の心を弄ぶかのように、有馬を翻弄していく。
やがて、犯人の指示で有馬あてのメッセージを届けた女子高生の死体が発見され、古川鞠子の白骨体も第三者の会社に送り届けられる。死者を冒涜した遺体の送り付け方やマスコミに対する不敵な挑戦。そして、有馬をはじめとする被害者遺族に対するあまりにもむごい仕打ちに、犯人に対する捜査員や一般市民の怒りは日に日に強くなっていた。
11月5日、群馬県の山中で一台の自動車が崖下に転落し、事故車のトランクから1人の男性の死体が発見される。自動車を運転していた栗橋浩美と助手席に座っていた高井和明の2人も事故のために死亡していたが、警察は両名の自宅の家宅捜索を行う。すると、栗橋の自宅から右腕を切り取られた女性の死体と、監禁された女性達の写真が発見され、捜査本部は栗橋・高井が連続女性拉致殺害事件の犯人として捜査を進める。
栗橋の部屋から発見された写真から、一連の事件で殺されたと認められる女性以外の姿を見つけ、捜査本部はその女性の特定、栗橋・高井が殺人を行っていたアジトの発見に向けて捜査を進める。
しかし、和明の妹・高井由美子は捜査本部の報告に納得がいかず、兄の無実を主張し続け、「栗橋主犯・高井従犯」説を唱えるルポライター・前畑滋子や有馬義男などに接触をはかるようになる。そんな由美子の後見人に、かつて浩美・和明と同級生だった網川浩一が名乗りをあげ、マスコミに華々しく登場してくる。
実は、かつての同級生、浩美・和明そして浩一の3人の奇妙な関係が、この事件の発端だったのだ。

<感想>
最近ちまたに溢れる犯罪小説の犯人は頭が良くてスマートな人間が多くなってきました。さらに美人だったり、イケメンだったり。でも、彼等が散々に猟奇的犯罪を犯した挙げ句に「だから人間の本質は残酷なのだ」みたいなことを言われても、本当にもう結構という気しかしないのです。いつからか犯罪者がヒーローのように扱われる本が溢れているのに違和感を感じる、そういう感覚を持っている人になら、この小説は絶対におすすめできます。その意味で、本書の山場は前畑が真犯人と直接対決をするところではなくて、有馬義男と真犯人が電話を挟んで対峙するあのシーンにあると思うのです。連続殺人者でありながら自らの知性と正義に耽溺する真犯人に対し、「それでも犯罪者は愚かだ」と叫び、反駁し、論破してくれる彼の2ページに渡る台詞こそが、作者の書きたかった言葉なのではないでしょうか。ただ、登場人物一人ひとりの心情やバックグランドを描くということは勿論大切なことですが、この小説に関して言えば登場人物が多すぎて、本編の進行を妨げてるように思いました。

〜『模倣犯』、宮部みゆき〜
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『ブレイブ・ストーリー』(☆☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『ブレイブ・ストーリー』(BRAVE STORY)は、宮部みゆき著のファンタジー小説。

<あらすじ>
三谷亘(ミタニ ワタル)は小学5年生。どこにでもいるような、普通の少年だった。ある日、幽霊が出ると噂される"幽霊ビル"で、要御扉(かなめのみとびら)に出会う。そこを潜り抜けると、亘たちが住んでいる現世(うつしよ)とは違う不思議な世界・幻界(ヴィジョン)が広がっていた。
数日後、夜中に目が覚めた亘は、気分転換に散歩に出かけたが、たまたま幽霊ビルで隣のクラスの優秀な転校生・芦川美鶴(アシカワ ミツル)が上級生に痛めつけられている現場に居合わせてしまう。助けようとした亘もまた暴力を振るわれるが、亘によって解放された美鶴は魔術を使って漆黒のバルバローネを呼び出した。そして、上級生に反撃する。最後には、バルバローネは上級生たちを飲み込み、消してしまった。夢としか思えないその光景が亘の心を掴む。そして美鶴は姿を消した。
そんな中、亘の父が突然、昔愛した女性と復縁すると、離婚を宣言して家を出て行ってしまう。その愛していた女性、田中理香子のお腹にはもう子供がいた。ショックで亘もろとも親子でガス自殺をしようとする母。ガス漏れにも気付かず眠っていた亘を起こしてくれたのは、行方不明になっていた美鶴の声だった。
「運命を変えたかったら、幻界へ行け」というミツルの呼びかけに応じ、家族を取り戻す為、母と自分の運命を変える為に幽霊ビルの階段の上に現れた要御扉を通って、亘は再び幻界へ。

<感想>
主人公の少年ワタルは、運命を変えるために「幻界(ヴィジョン)」という異世界に行き、仲間と共に5つの「宝玉」を見つけ、女神のいる「運命の塔」を目指すために旅をする。あらすじだけみると、ファンタジーの王道中の王道、とてもありがちな設定のはずなのにそれを感じさせないほど面白かったです。冒頭、ワタルの両親の離婚問題に多くのページが割かれているのだけれど、これがとても生々しくリアルで、思い詰めるワタルに感情移入してしまいました。また、もう一人の幻界の旅人であるミツルとワタルの関わり方がいい。ライバル同士なのだけれど、時に心配しあって助けたり助けられたりし、時には出し抜かれたりする。「幻界」と「旅人」の真実を知った二人が対峙する場面は切なく印象的でした。ミツルの結末については悔しい思いが残りましたが、それだけ入り込んで読むことができた。

〜『ブレイブ・ストーリー』、宮部みゆき〜
posted by 推理小説家 at 13:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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