2010年01月06日

江國香織

江國香織

江國香織(えくにかおり、1964年3月21日-) は、日本の小説家、児童文学作家、翻訳家、詩人。 
1987年の『草之丞の話』で童話作家として出発、『きらきらひかる』『落下する夕方』『神様のボート』などの小説作品で、女性のみずみずしい感覚を描く作家として人気を得る。2004年、『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。詩作のほか、海外の絵本の翻訳も多数。
父はエッセイストの江國滋。

東京都世田谷区出身。目白学園女子短期大学国語国文学科卒。アテネ・フランセを経て、デラウェア大学に留学。
1985年、20歳で『ユリイカ』に詩作品「綿菓子」を初投稿、「今月の作品」に選ばれ掲載される。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。翌年に『草之丞の話』で、はないちもんめ小さな童話賞大賞。1989年、アメリカ留学時の体験を題材にした小説『409ラドクリフ』でフェミナ賞受賞。同年に初の短編小説集『つめたいよるに』を刊行。1991年、童話集『こうばしい日々』で産経児童出版文化賞、翌年坪田譲治文学賞受賞。
1992年、アルコール依存症の妻と同性愛者の夫との生活を描いた『きらきらひかる』で紫式部文学賞を受賞、映画化もされ話題となる。1999年、『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞受賞。2001年、描き下ろし短編集『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞。2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。
以降小説、エッセイ、絵本、詩と多分野で執筆活動を続けている。近作に島清恋愛文学賞受賞の『がらくた』など。他の映画化作品として、別れた恋人に強い想いを抱き続ける女性を描いた『落下する夕方』(1996年)、辻仁成との共作『冷静と情熱のあいだ』(1999年)、20代の青年と40代の女性との恋愛を描いた『東京タワー』(2001年)、恋愛に疎いが純粋な30代の兄弟を描いた『間宮兄弟』(2004年)がある。
銀行員と結婚。喫煙者で、熱狂的な阪神ファンとしても知られている。好きな選手は中野佐資(1986年 - 1993年阪神)。ギャンブルでは競艇のファンでもある。チョコレートが大好きで、結婚する際夫に、「他の女性にチョコレートを贈らない」という約束をさせたほどである。
雨が大好きで、子供の頃は雨が降ると母や妹と一緒に眺めていたという。 ペットは、アメリカン・コッカー・スパニエルの「雨」(オス)。エッセイ『雨はコーラがのめない』では、雨と音楽との生活を綴っている。
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2009年09月08日

『落下する夕方』(☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『落下する夕方』(らっかするゆうがた)は1998年に江國香織原作の小説。

<あらすじ>
坪田リカは同棲して4年になる恋人・薮内健吾から突然別れを告げられる。健吾は別に好きな人が出来たという。現実を受け止められないリカは、健吾をひたすら待ち続ける。しかし、そこへ健吾が好きになったという根津華子という女がリカのところへころがりこみ住みついてしまう。すると華子を追って健吾もリカのところへ来るようになる。奇妙な3人の生活が始まるのであった。

<感想>
冒頭「引っ越そうと思う」という恋人のなにげない言葉が実は別れ話だったというところから始まるこの小説は、読み出したら止まりません。圧倒的な情愛の力というようなものが見事に描かれていて、しかも叙情的な文章や表現が江國香織は天才的で独特な世界を創り出しています。江國香織の作品を読むとこういう感情も存在していいんだと不思議な安堵感のようなものをいつも味わえます。心が安らぐ。絶望的に誰かを愛すること。それが幸せか不幸かなどの次元を越えてただそういう感情がこの世に存在することをあらためて認識させてくれる作品です。

〜『落下する夕方』、江國香織〜
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2009年07月30日

『冷静と情熱のあいだ』(☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『冷静と情熱のあいだ』(れいせいとじょうねつのあいだ、Calmi Cuori Appassionati)は、1999年に出版された辻仁成と江國香織による恋愛小説。

<あらすじ>
大学を卒業後、絵画の修復士を志しイタリアのフィレンツェの工房で学んでいた阿形順正は、同じフィレンツェに住む芽実という日本人の彼女にも慕われ、一見順調な人生を歩んでいるようにみえた。しかし、心の中には常に空虚感があった。香港からの留学生で、日本での学生時代をともに過ごし、深く愛し合いお互いを分かり合えた女性、あおいをいまだに忘れられない。
あるとき順正は、フィレンツェを訪れた友人の崇から、あおいが同じイタリアのミラノにいることを知る。崇から得た情報をたよりにミラノを訪れてみると、あおいはアメリカ人ビジネスマンと生活を共にしていた。全く異なる人生をお互いが歩んでいることを悟った順正は、日本に逃げ戻る。
順正の頭の中には、学生時代にあおいが言った「わたしの30歳の誕生日に、フィレンツェのドゥオーモのクーポラで会ってね。約束してね。」という言葉が常にあった。しかし、10年も前の約束をあおいが覚えているか確信はなかったし、あおいがまだ順正のことを思っているかどうかもわからなかった。
ある時イタリアの恩師が自殺をしたと、工房の同窓生から電話が入る。フィレンツェでの葬式に参列した際、旧友高梨からかけられた言葉をきっかけに、生活の場をまたイタリアにもどすことを決心をする。そして、芽実に別れを告げる。また以前と変わらない、イタリアでの時間が流れていき、その日はついにやってきた。順正はゆっくりとドゥオーモの階段を、クーポラ(聖堂の丸屋根)をめざして上っていく。やはり、あおいはそこにはいない。ドゥオーモの閉館時間も刻一刻と迫っていた。

<感想>
RossoとBluが、1つの恋愛に対して、それぞれ主人公のあおいと順正の側から書かれたものであり、2人が別れてから10年の時を過ごし再会するまでの出来事と心の動きが非常に繊細に描写されています。日常生活のふとした事から、つらい別れ方をした恋人であった順正とのことを思い出しては考えるという、一見惨めにも見える繰り返しが疑似体験として理解できると思います。Rossoはあおいの現在のアメリカ人の恋人マーブとの生活が90%を占めていますが、彼女の思いの90%がマーブではなく順正にある点の描写がうまいと思います。一人の人をすごく愛したことのある人には、特に心に響く表現でいっぱいです。江國香織の繊細さにおどろかされます。女性なら、また、ストーリーをやきもきして読みたいなら、Rossoから読むことをお薦めします。Rossoを読んだらbluも読まないと損です。

〜『冷静と情熱のあいだ』、辻仁成(Blu),江國香織(Rosso)〜
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2009年07月16日

『きらきらひかる』(☆☆☆:小説おすすめ度)

『きらきらひかる』は江國香織の小説。

<あらすじ>
親のすすめで、医師の男性・睦月と見合いをすることになった笑子。しかし、その席で二人は互いの秘密を告白してしまう。笑子はアルコール依存症であること、睦月は同姓愛者であることを。初めは戸惑う二人だが、結婚を決めたのだった。その後、睦月の恋人・紺も加わるが、笑子の友人によって3人の関係が周囲に知れてしまう。

<感想>
好き嫌いが別れてしまう一冊かもしれないです。とりあえず、私は大好きです。少し心が疲れてしまってる時なんかに読むと、ほっとします。主人公の笑子は器用に生きることができなくて、世間との折り合いもうまくつけれない、そういう自分を無意識の内に自分でも持て余してしまっている、そんな女性。優しすぎる夫の事もとても大切にしたいのについ憎らしくなって意地悪を言う。そうして傷つけてしまった事に結局自分が一番傷ついてしまう。上手に日々を暮らしたいのに、なんだかうまくいかなくて、苦しい。問題のない人なんてたぶんいなくて、みんな多少の「ズレ」を抱えながら生きてるんだと思う。そういう自分の「ズレ」に敏感で、どうしたらいいのかわからなくなったりした事のある人には、すごくおすすめの小説です。

〜『きらきらひかる』、江國香織〜
posted by 推理小説家 at 22:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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