2010年01月19日

村上龍

村上龍

村上龍(むらかみりゅう、1952年2月19日 - )は、日本の小説家、映画監督。長崎県佐世保市出身。血液型はO型。武蔵野美術大学在学中の1976年、麻薬とセックスに溺れる若者たちを描いた『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞、芥川龍之介賞を受賞。ヒッピー文化の影響を強く受けた作家として村上春樹とともに時代を代表する作家と目される。主要作品に『限りなく透明に近いブルー』、『コインロッカー・ベイビーズ』、『愛と幻想のファシズム』、『五分後の世界』、『希望の国のエクソダス』、『半島を出よ』など。

自身の小説を元に映画製作も行なう。1999年より日本の金融・政治経済関連の問題を考えるメールマガジン『JMM』を主宰、以後、暗部にひそむ政治経済関連の問題など時事報道に対してコメントするなど、文壇以外の世界にも積極的に関わっている。
本名は「龍之介」だが、芥川龍之介と同じ名前では恐れ多いという理由から筆名を用いた。

1952年2月19日、長崎県佐世保市に生まれる。本名は村上龍之助で、これは中里介山の小説『大菩薩峠』の主人公「机龍之助」にちなんだもの。父は美術教師、母は数学教師であった。佐世保市立御船小学校、佐世保市立光海中学校を経て、1967年長崎県立佐世保北高等学校に入学。翌年、佐世保港にアメリカの原子力空母エンタープライズが入港、この際の反代々木系全学連の入港阻止運動に感動する。
高校在学中はロックバンドを結成しドラムを担当、その後解散し、ラグビー部の過酷な練習のためから退部をして新聞部へ移る。3年生の夏、高校の屋上を仲間とともにバリケード封鎖し無期謹慎処分となる。3ヶ月に及ぶ謹慎期間中、ヒッピー文化に出会い大きな影響を受けた。1970年佐世保北高校を卒業、それに前後して再びロックバンドを結成し、文化会館を借りてロック・フェスティバルを行なった他、8ミリ映画の制作や劇団を作って活動するなどした。この年の春に上京し、現代思潮社の主宰する美学校のシルクスクリーン科に入学するも、半年で退学、同年10月から1972年2月まで、米軍横田基地に近い福生市に住んだ。1972年、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン科入学。このころより福生での体験をもとに小説を書き始める。
1976年、基地の町で麻薬と乱交に明け暮れる若者の姿を描いた『限りなく透明に近いブルー』で第19回群像新人文学賞を受賞、同年第75回芥川龍之介賞を受賞し衝撃的なデビューを飾る。芥川賞選考会では評価が真っ二つに分かれ、文壇でも奥野健男が評価する一方江藤淳が批判するなど議論を呼んだ。同年、エレクトーン奏者の女性と結婚。それより数年後、男児をもうける。大学を中退したのち、本格的な作家活動に入る。
1980年、コインロッカーに遺棄された孤児の破壊衝動を描いた『コインロッカー・ベイビーズ』で第3回野間文芸新人賞受賞。以降、自伝的作品である『69 sixty nine』、日本を弱肉強食型の社会に変革しようともくろむ秘密結社「狩猟社」の闘いを描いた『愛と幻想のファシズム』(ともに1987年)、SM嬢を過激な性表現で描いた連作『トパーズ』(1988年)などを発表、小説執筆の傍ら自作の映画化に取り組むなどの活動を行なう。
パラレル・ワールドの日本を描いた『五分後の世界』(1994年、第30回谷崎潤一郎賞候補)などを経て、1996年、『69』の続編である『村上龍映画小説集』で平林たい子文学賞受賞。同年、女子高生の援助交際を描いた『ラブ&ポップ』を発表、アニメーション監督の庵野秀明が実写映画化した。1998年、サイコホラー風の作品『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞受賞。1999年より、金融・経済を中心に論議する場としてメールマガジン『JMM』を主宰し編集長を務める。同年、バブル景気の対応を批判した絵本『あの金で何が買えたか』を発表。以降、経済、社会問題に対する議論に積極的に関わるようになる。
2000年、引きこもりの青年が戦争に魅了されていく様を描いた『共生虫』を発表、第36回谷崎潤一郎賞受賞。同年発表した『希望の国のエクソダス』では、日本社会に希望を失った中学生たちがインターネットを通じて新たな社会システムを作り挙げていく様を描き、大きな話題となった。
2001年、未だ世界各地に埋没する地雷の除去費用寄付の為にと友人でもある坂本龍一の呼びかけで結成されたチャリティーグループN.M.L.(NO MORE LANDMINE)の楽曲「ZERO LANDMINE」の歌詞の日本語訳を担当する。
2004年、中学生へ向けて働くことへの興味を促す目的で『13歳のハローワーク』を発表。2005年には綿密な取材を元に日本と朝鮮との関係を描いた『半島を出よ』を発表、第58回野間文芸賞、第59回毎日出版文化賞を受賞した。
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2009年09月24日

『海の向こうで戦争が始まる』(☆☆☆:小説おすすめ度)

『海の向こうで戦争が始まる』(うみのむこうでせんそうがはじまる)は、村上龍の長編小説。『群像』1977年5月号掲載。同年に講談社から刊行された。『限りなく透明に近いブルー』に続く第2作。まるで蜃気楼のような『ある種の一つの現実』や登場人物が『破壊』『戦争』を望む姿を巧みに描いた力作であると評価されている。

<あらすじ>
ある日浜辺で絵を描いていた主人公はフィニーという不思議な女性に出会う。『彼女はあなたの目に町が映っている』と言う。その街は海の向こうにあり、その街には巨大なゴミに埋もれ『基地』を持ち、子供たちを力強く育てる街だという。そして今その街では盛大な祭りが開かれているという。

<感想>
様々な不安に包まれて窒息しそうな「現代」。他人と自己の差異は嫉妬・羨望・嫌悪・愛情等等の感情の絡まりで曖昧化される。他人の不安は自分の不安、ワイドショーの怒りは当たり前のように自分の義憤。そんな恐ろしい現代社会を詩的に死にたくなるような不思議な静寂で描いた傑作。『海の向こう』とはいつもそこに淡々と存在する『他者の世界』であり、そこでは直視することを躊躇うような戦争がアナタの参戦を待っています。

〜『海の向こうで戦争が始まる』、村上龍〜
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2009年09月22日

『限りなく透明に近いブルー』(☆☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『限りなく透明に近いブルー』(かぎりなくとうめいにちかいブルー)は、村上龍によって書かれた小説。村上龍のデビュー作であり、代表作である。1976年、群像新人文学賞を受賞後にその年の芥川龍之介賞を受賞した。装丁を著者自身が手がけている。2005年現在の発行部数は単行本131万部、単行本・文庫本の合計で350万部以上を越えている。

<あらすじ>
舞台は東京、基地の町、福生。ここにあるアパートの一室、通称ハウスで主人公リュウや複数の男女はクスリ、LSD、セックス、暴力、兵士との交流などに明け暮れ生活している。明日、何か変ったことがおこるわけでも、何かを探していたり、期待しているわけでもない。リュウは仲間達の行為を客観的に見続け、彼らはハウスを中心にただただ荒廃していく。そしていつの間にかハウスからは仲間達は去っていき、リュウの目にはいつか見た幻覚が鳥として見えた。

<感想>
セックス、ドラッグ。こういった描写がこれでもかというくらいでてきます。主人公は世界が見えるがために、世界の真理といったものが見えるために、このような即物的なある意味究極的な快楽世界に行き着くしかなかったのかもしれません。それでも、主人公はその世界にどこか疎外感を感じています。まわりで起きていることは理解できるのだけど、没頭することはできない。居場所がない。見えるがために、居場所がないのではないでしょうか。その哀しみが作品全体を包み込み、感動の波となって迫ってきます。表面的な目を背けたくなるような部分ではなく、その背後にある深い哀しみがこの作品を傑作にしているのではないでしょうか。

〜『限りなく透明に近いブルー』、村上龍〜
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