2010年01月16日

川上弘美

川上弘美

川上弘美(かわかみひろみ、旧姓・山田、1958年(昭和33年)4月1日- )は、日本の小説家。

大学在学中よりSF雑誌に短編を寄稿、編集にもたずさわる。高校の生物科教員などを経て、1994年、短編「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞。1996年「蛇を踏む」で芥川賞受賞。
幻想的な世界と日常が織り交ざった描写を得意とする。作品のおりなす世界観は「空気感」と呼ばれ、内田百間の影響を受けた独特のものである。その他の主な作品に『溺レる』、『センセイの鞄』、『真鶴』など。
俳人でもあり、長嶋有らとともに句誌『恒信風』で句作活動をしている。

東京都生れ。5歳から7歳までをアメリカ合衆国で過ごす。小学3年生のときに1学期間を休む病気にかかり、このときに家で児童文学を読み始めたことから読書家になる。
雙葉中学校・高等学校を卒業後、お茶の水女子大学理学部生物学科に入学し、SF研究会に所属、のちの漫画家湯田伸子がメンバーにいた。
1980年、大学在学中に山野浩一発行・山田和子編集のニュー・ウェーブSF雑誌『季刊NW-SF』第15号にて、「小川項」名義の短編「累累」を掲載。次号第16号で旧姓「山田弘美」名義の短編「双翅目」を発表、また「女は自ら女を語る」という座談会にも参加し編集者として加わっていた。
1980年に大学を卒業し、NW-SF社で働くが1982年『季刊NW-SF』が第18号で休刊。そのため、同1982年に田園調布雙葉中学校・高等学校で生物の教員となる。1986年までの4年間を勤め、退職。
結婚・出産ののち主婦を経て、1994年に「神様」でパソコン通信を利用したASAHIネット主催の第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。この回の選考委員は、井上ひさし、小林恭二、筒井康隆。
次いで1995年に「婆」が第113回芥川龍之介賞候補作品となり、翌1996年に「蛇を踏む」で第115回芥川龍之介賞を受賞。1999年、『神様』で第9回紫式部文学賞、第9回Bunkamuraドゥマゴ文学賞(審査員久世光彦)。2000年、『溺レる』で第11回伊藤整文学賞、第39回女流文学賞を受賞。
2001年に第37回谷崎潤一郎賞を受賞した『センセイの鞄』では、中年女性と初老の男性との淡い恋愛を描きベストセラーとなった。同作品はWOWOWのオリジナルドラマ制作プロジェクト「ドラマW」により、久世光彦監督の演出、小泉今日子・柄本明の共演でテレビドラマ化されている。 2007年、『真鶴(まなづる)』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
2007年の第137回芥川賞選考会から、選考委員として参加。2009年現在は谷崎潤一郎賞、三島由紀夫賞、野間文芸新人賞選考委員を務めている。
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2009年09月29日

『センセイの鞄』(☆☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『センセイの鞄』(せんせいのかばん)は、川上弘美原作の恋愛小説で、2001年度谷崎潤一郎賞受賞作。『太陽』(平凡社)に1999年7月号から2000年12月号まで連載された小説は、2001年6月に平凡社より刊行された。また単行本は後に文春文庫、新潮文庫化された。純文学として15万部超のベストセラーとなった。

<あらすじ>
本編の主人公・ツキコさんこと大町月子がいつも行きつけの居酒屋で、30歳離れた高校の恩師で古文の先生だったセンセイこと松本春綱に再会。そして、センセイがツキコさんに「ツキコさん、デートをいたしましょう」の一言から二人の恋愛が始まる。

<感想>
川上弘美が書く小説は生々しく、リアルな部分とどこか現実離れした御伽噺のような、シュールな部分とが混在する不思議な世界を構築していて、それを読むことにより、読者に日常の時間の流れとは違った、緩やかで心地のよい時間の流れを経験させてくれます。本書は、主人公である「ツキコ」が、行きつけの居酒屋で、数十年ぶりに出会った高校時代の古文の「センセイ」である松本春綱と出会ったことから始まります。そして二人の間に徐々に芽生えてゆく思慕の情を淡々とした筆致で描き出しています。文体は滑らかで、読み手に負担をかけません。技術的にも優れています。登場するキャラクターがどれも「キャラ立ち」しており、一体この次どんな行動をとるのだろうか?と、気になって冒頭から結末まで、一息に読破してしまいました。40間近の女と80近い棺桶に半分足を突っ込んだ爺様の恋愛話なのですが、それぞれの感覚が瑞々しく、二人の間で育っていく愛情がゆっくりとしていて、それがもどかしく、読んでいて甘酸っぱく切ない気分にさせてくれます。読めばきっと恋愛がしたくなる小説です。

〜『センセイの鞄』、川上弘美〜
posted by 推理小説家 at 13:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 川上弘美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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