2010年01月04日

市川拓司

市川拓司

市川拓司(いちかわたくじ、1962年10月7日 - )は、日本の小説家。

東京都出身で小学校まで府中市で過ごし、中学生のときに埼玉県へ移住、以降県内で暮らす。埼玉県立与野高等学校、獨協大学経済学部経済学科卒業。出版社に就職するがわずかの期間で退職(本人いわく、ぶち壊し)、バイクで日本一周の旅に出る。その頃から妻のためにと小説を書き始め、1997年からはインターネット上で多数の作品を発表していた。ミステリー作家としてのデビューを目指していたこともあり、サントリーミステリー大賞、鮎川哲也賞、創元推理短編賞に応募した経験がある。
ネット小説が注目され、2002年に『Separation』でデビュー、同作品は『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』としてテレビドラマ化される。2003年発売の『いま、会いにゆきます』は、ベストセラー小説「世界の中心で、愛をさけぶ」に折り込みチラシとして挿入され、これをきっかけに大ヒットとなる。この小説の映画化が注目を浴び、一躍恋愛小説の旗手となった。
ジョン・アーヴィング、イアン・マキューアンなどの影響がある。作品は概ね「愛」がベースとなっているが、同時に「死」がもう一つのテーマになっている。作風はホラーであったり、サスペンス色があったりもするが、SF・ファンタジー的要素を含ませた作りを最も好むようである。
本人は学生時代に長く陸上部に所属し、妻は器械体操して、その後はエアロビックダンスのインストラクターとなったことから、作品の主人公カップルはこの組み合わせがしばしば使われる。
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2009年10月12日

『そのときは彼によろしく』(☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『そのときは彼によろしく』(そのときはかれによろしく)は、市川拓司による恋愛小説。

<あらすじ>
小さなアクアプランツ店「トラッシュ」を経営している主人公、遠山智史のもとに、ある夜、森川鈴音と名乗る美しい女性が現れる。彼女は智史に、行くあてがないからアルバイトとして雇って店に住ませてくれるよう頼む。智史は少し怪しく思ったものの、彼女に奇妙な懐かしさを感じたため断らなかった。
一方で智史は、結婚紹介所で知り合った美咲さんと何度かデートを重ねていた。智史はデートのたび、13歳のときに知り合った初めての友達との出会いから別れまでについて話していた。 そのときは、女性が苦手な智史でも、まるで13歳に戻ったかのように活き活きと出来た。
ある日智史は、鈴音が13歳のときに出会った友達、滝川花梨だと言うことに気づく。 そのことを彼女に伝えると、やっと分かってくれたのね、という言葉と表情をみせた。そのとき智史は、ここに住ませて欲しいと頼まれた時の奇妙な懐かしさの正体を知った。 しかしその直後、彼女はもうすぐここを出る、と言い出した。理由を聞いてもなかなか本当の事を教えてくれない。だが、彼の中でどんどん膨らむ彼女への形にならない思いが、彼を動かした。

<感想>
ページをめくって最初のフレーズは、鈴音は両手を広げ天を仰ぎ見ながら言った。「『かくのごとき夢あれかし』って。」「ねえ、それって、とてもすてきな夢だと思わない?すべてのひとたちがみんなそこで繋がっているのよ」でした。何のことを言っているのか分からず読み進めていくと、いろいろな場所に残されたジグソーのピースが少しずつはまっていくように話が繋がって行く感じで楽しく読めました。かなり現実離れというかあり得ない話で、その手の話は苦手という方の評価は低いかもしれませんが、ファンタジーとわりきって読むにはいいかもしれません。先を読みたくてあっという間に読破しました。読み終わって何とも言えない、ほっとして温かい気持ちになりました。母の墓参りにも行きたくなったり、随分前に亡くなった祖父のことも思い起こされたりしました。「生きてるっていいね。」「好きな人がいるっていいね。」と誰かに言いたくなりました。

〜『そのときは彼によろしく』、市川拓司〜
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2009年07月25日

『いま、会いにゆきます』(☆☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『いま、会いにゆきます』(いま、あいにゆきます)は、市川拓司によるベストセラーのファンタジー恋愛小説。『世界の中心で、愛をさけぶ』と同じく、メディアミックスによるヒット作の1つである。

<あらすじ>
ある町に住む秋穂巧は、1年前に最愛の妻である澪を亡くし、1人息子の佑司と慎ましく過ごしていた。2人は生前澪が残した、「1年たったら、雨の季節に又戻ってくるから」という言葉が気になっていた。それから1年後、雨の季節に2人の前に死んだはずの澪が現れる。2人は喜ぶが、澪は過去の記憶を全て失っていた。そこから3人の共同生活が始まる。

<感想>
未来を知ってしまうことは恐ろしいことかもしれません。ましてやそれが死であるならば。それでも愛することができたのならば、失う悲しさ以外のものもきっと感じるはずです。現実的ではない謎の現象を設定に物語は進み、最後にその謎の紐が解かれた時、悲しみを超えた感情に心が震えました。別れは二度目のほうが悲しい。確かにそうですが、その後に残ったのは本当に深い愛でした。この小説は悲しいだけで涙する小説では決してありません。最後の部分で巧や佑司が澪に話す言葉のひとつひとつに、最愛の人をなくす事がどれだけつらく、悲しい事なのかが涙が出る程伝わってきます。そして、別れの後も残された人は生きてゆかなければならないと言う事も強く感じられました。人を愛するとはこういう事なんだと教えてくれる素晴らしい作品だと思います。文章が上手い人の物語は確かに面白いですが、物語に「共感」できる作品は少ないです。その数少ない物語が、この作品だと言えるでしょう。恋愛小説の傑作です。

〜『いま、会いにゆきます』、市川拓司〜
posted by 推理小説家 at 19:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 市川拓司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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