2010年01月19日

山田風太郎

山田風太郎

山田風太郎(やまだふうたろう、1922年(大正11年)1月4日 - 2001年(平成13年)7月28日)は、日本の小説家。本名は山田 誠也(せいや)。伝奇小説、推理小説、時代小説の三方で名を馳せた、戦後日本を代表する娯楽小説の大家。

忍法帖シリーズに代表される、奇想天外なアイデアを用いた大衆小説で知られている。『南総里見八犬伝』や『水滸伝』をはじめとした古典伝奇文学に造詣が深く、それらを咀嚼・再構成して独自の視点を加えた作品を多数執筆した。
学生であった戦時中から戦後しばらくにかけて書き記していた日記は記録文学の傑作との呼び声が高く、著者の再評価にもつながった。
正式なデビュー以前、旧制中学時代に何度か雑誌に小説を投稿し、入賞している。伯父からの仕送りで医学生をしていた時代、生活のために『宝石』の短編懸賞に応募した『達磨峠の事件』が入選(1947年1月号に掲載)したことで作家デビュー。医師になることは、自ら不適と決める。 戦後の荒廃した世相を背景とした推理小説を中心に、多数の短編を発表。また、同期の作家である高木彬光と日本初の合作小説『悪霊の群』を執筆するなど活動を続け、山田、高木と、島田一男、香山滋、大坪砂男は「探偵小説界の戦後派五人男」と呼ばれた。長編『誰にも出来る殺人』、『棺の中の悦楽』等は、読み切り連載特有の制約を守りつつ、全体を意外な結末へ導く工夫を凝らしている。作者本人は、明治ものの一作である『明治断頭台』を自身のミステリ作品の最高傑作と述べている。

デビュー以来10年、日本ミステリ界の巨人であり、宝石の編集長を自ら務めた江戸川乱歩への恩もあってミステリ作品を中心に執筆した。ただ、時々雑誌のカテゴリーを無視して時代小説を寄稿している。「(ミステリは)自分には向いていなかった」と山田自身は語っているが、多数の傑作を残したことは事実であり、2000年には日本ミステリー文学大賞を受賞した。現代を舞台にしたミステリ作品は、1960年代半ばまで断続的に発表された。例外として『神曲崩壊』は1987年の作品である。
鼻の位置にペニスがあるという突拍子もない設定の『陰茎人』をはじめとするユーモア・ナンセンス作品、学年誌に発表した少年向け作品や、歴史を扱った小説も多数発表。『山屋敷秘図』に代表される切支丹もののように日本を舞台にするだけでなく、原稿料のかわりに貰った中国四大奇書のひとつ『金瓶梅』をミステリとして再構成した『妖異金瓶梅』があり、忍法帖を執筆するきっかけともなった。なお、時代小説は晩年に至るまで執筆している。

『妖異金瓶梅』の後、同じく四大奇書である『水滸伝』を翻案しようと模索するが、108もの武術を考えるに至らず、かわりに忍法という奇想天外な術を用いて活躍する忍者たちの小説を構想する。
1958年(昭和33年)に発表した『甲賀忍法帖』を皮切りとする忍法帖もので流行作家となる。これは安土桃山時代から江戸時代を舞台として、想像の限りを尽くした忍法を駆使する忍者たちの死闘を描いた作品群である。1963年(昭和38年)から講談社より発売された『山田風太郎忍法全集』は全10巻の予定であったが、刊行途中で連載を終えた『柳生忍法帖』の上・中・下巻と短編集2冊を加えて全15巻となり、累計で300万部を売り上げるベストセラーとなった。
その後も掲載紙を問わずに多数の長編・短編が執筆された。その中には細部の設定を詰めずに連載を開始したものも多かった。特に柳生十兵衛三部作の第一作『柳生忍法帖』は当初は『尼寺五十万石』と題され十兵衛が登場する予定はなく、第二作『魔界転生』は、どんな忍法が登場しても大丈夫なように適当な題名「おぼろ忍法帖」をつけたものの、結局内容にそぐわなくなった。そのため『柳生忍法帖』は単行本化の際に、『魔界転生』は後述する1981年の映画化の際に改題された。
同時期に白土三平が貸本劇画『忍者武芸帳 影丸伝』を発表しているが、従来の「忍術」を「忍法」に変えたことが共通する程度で、作風的には、あまり類似性はない。山田は生前、白土の漫画のことを読んだことがない[3]と語っており、それぞれ、同時代に時代精神として並行して発生したものだと考えられる。
忍法帖シリーズの執筆は1960年代の終わりまで続くが、1970年代に入ると幕末を舞台とした時代小説を中心に手掛けるようになる。忍法帖の様式に当てはまる最後の作品は、明治初期を舞台とした『開化の忍者』(1974年(昭和49年))である。
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2009年07月04日

『魔界転生』(☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『魔界転生』(まかいてんしょう)は、山田風太郎の伝奇小説作品。

<あらすじ>
森宗意軒という怪老人と出会った由比正雪は、紀州の徳川頼宣とともに江戸幕府、将軍徳川家光の天下を奪わんとする企てを進めていた。森宗意軒は、自らが編み出した忍法「魔界転生」によって、剣豪たちを意のままになる部下として生まれ変わらせてゆく。これは人並みはずれた技量と、死の直前になっても自分の人生に悔いを残している強烈な生の欲求を持つ人間が、死の直前に心から愛しいと思う女と交わることにより、新たな肉体と生前より優れた技量を持って生まれ変わる忍法であった。「魔界転生」で蘇る剣豪達は転生衆と呼ばれる。天草四郎時貞、荒木又右衛門、居合の田宮坊太郎、宝蔵院流槍術の宝蔵院胤舜、尾張柳生流の柳生如雲斎、江戸柳生流の柳生宗矩、宮本武蔵ら名だたる剣豪たちが転生した。しかし、森宗意軒にはもう1人、どうしても魔界転生させたい男がいた。その男こそ柳生十兵衛である。ところが十兵衛は宗意軒の意に反し、関口柔心の息子、関口弥太郎などとともに転生衆と戦うことを選ぶ。

<感想>
幕府転覆の企てに巻き込まれた柳生十兵衛が、その陰謀を防ぐために戦うことになります。柳生十兵衛の前に立ちはだかるのは、魔界からよみがえった剣豪達7人。1人、1人と次々に襲いかかります。この7人との戦いが、やはり読みどころでしょうか。それでなくても剣豪なのに、魔界の力でさらにパワーアップしてます。十兵衛が勝つのが、わかっていても、ドキドキします。と言って、重い本でなく、予想外にユーモラスな本でした。「人を食ったような」柳生十兵衛の作戦や、「そんなばかな!」という荒唐無稽な剣技。十兵衛の弟子達の意表をついた攻撃。敵となる根来の忍者たちのドタバタ。エログロも、そうひどくないです。上下巻で読み応えも十分です。

〜『魔界転生』、山田風太郎〜
posted by 推理小説家 at 10:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 山田風太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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