2010年01月22日

イワン・ツルゲーネフ

イワン・ツルゲーネフ

イワン・セルゲーエヴィチ・ツルゲーネフ(イヴァン・セルゲーエヴィチ・トゥルゲーネフ;Иван Сергеевич Тургеневイヴァーン・スィルギェーイェヴィチュ・トゥルギェーニェフ;ラテン文字転写の例:Ivan Sergeyevich Turgenev、1818年11月9日(当時ロシアで用いられていたユリウス暦では10月28日) - 1883年9月3日(ユリウス暦8月22日))は、19世紀ロシアの代表的な小説家の一人。ロシア帝国の貴族。なお、以前は「ツルゲーネフ」と書かれることが多かったが、最近ではロシア語の発音に近い「トゥルゲーネフ」という表記が用いられるようになっている。

ロシア中部オリョールの地主貴族の家庭の次男として生まれる。15歳でモスクワ大学教育学部に入学、1年後、ペテルブルク大学哲学部に転じる。1838年から1841年までベルリン大学で哲学や古典語を学ぶ。1843年、内務省に職を得るが翌年に辞す。1842年、批評家ベリンスキーに会い、以後、親交を続けた。1843年、叙事詩『パラーシャ』を発表。その年、夫と子のあるオペラ歌手、ポーリーヌ・ガルシア=ヴィアルドに一目惚れし、彼女を追ってパリに移り住んだ。それ以後、西欧とロシアを往復する生活が終生続いた。
1847年から雑誌に発表された『猟人日記』(1852年)で、貧しい農奴の生活を描き、農奴制を批判したことで逮捕・投獄される。この作品は農奴解放に大きな役割を果たした。その後も、1854年の『ムムー』でも地主のもとで使われる農奴たちの悲劇と精神の解放を描いている。続く1856年の『ルージン』では、高い理想と教養をもちながらも現実に対しては無力ないわゆる「余計者」を描いた。その後も、政治社会的な問題を主題とした『貴族の巣』(1859年)、『その前夜』(1860年)、『処女地』(1877年)などを次々と発表し、社会論争を巻き起こした。理想主義的な父の世代と、唯物論的な子の世代の相克を描いた『父と子』(1862年)は、19世紀のロシア小説の最高傑作の一つに挙げられる。自伝的な作品として『アーシャ』(1858年)、『初恋』(1860年)なども残している。
長く住んだパリで、西欧の作家・芸術家たちとの幅広い交友関係を築き、西欧へのロシア文学の紹介に大きな役割を果たした。1883年、パリ郊外で歿し、ペテルブルクでは国葬が営まれた。
日本ではいち早く二葉亭四迷によって翻訳・紹介され、特に国木田独歩や田山花袋らの自然主義に大きな影響を与えた。
posted by 推理小説家 at 18:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | イワン・ツルゲーネフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月10日

『初恋』(☆☆☆☆:小説おすすめ度)

『初恋』(原題ロシア語:Первая Любовьピェールヴァヤ・リュボーフィ)は、1860年に発表されたイワン・ツルゲーネフによる中編小説。半自伝的性格を持ち、作者が生涯で最も愛した小説と言われている。

<あらすじ>
1833年夏。16歳の少年ウラジーミル・ペトローヴィチは、モスクワ市内の別荘で両親とともに暮らしていた。ある日、隣にザセキーナ公爵夫人一家が引っ越してくる。その日の夕方、ウラジーミルは垣根越しに見た公爵令嬢、ジナイーダに一目惚れする。ジナイーダへの想いは日々募るばかりだが、ある時、ウラジーミルはジナイーダが自分とは別の男性に恋に落ちたことに気付く。その男性とは、ウラジミールの父親だった。

<感想>
ロシア文学はちょっと難しそうで苦手だったのですが、ぱらぱらめくってみると、上品かつひきこまれる語り口で良かったです。親しい三人の男たちが、自分の初恋について話をする。うまく話せないので、ノートに書いてくるといった一人の男の、初恋の話がこのお話の主な部分を構成しています。彼が16歳のとき。奔放な年上の美少女。やがて現れる、彼女の心を奪う男。少年の、彼自身の心をあからさまに、誠実に書かれています。しかし、それ以上に、少女と男の気持ちが心に残ります。特に、奔放だった少女の恋による変化の描き方は凛として、悲しく、美しいです。少年の心のときめき、不安、虚無感等がみずみずしく描かれており、主人公の歓喜、純粋さ、誠実さ、一途さ、抱えている不安といったものが心にすっと入ってきました。自分が忘れた若い頃の感覚をふと思い出してみたい方は主人公と一緒に、19世紀のロシアにタイムスリップするのも悪くないと思います。

〜『初恋』、イワン・ツルゲーネフ〜
posted by 推理小説家 at 20:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | イワン・ツルゲーネフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
相互リンク募集中です。こちらのトップページhttp://mainichigashiawase.seesaa.net/へリンクを張った後にコメント(リンクが張られていることが確認できるURLを記載して下さい)を頂ければ、直ちに相互リンクさせて頂きます。