2011年08月11日

子ども保険には入るべきなのか

子ども保険に加入する目的は、@将来の教育費の準備、A子どもの病気やケガに備えて、B保護者に万一のことがあったときの備えとして、のいずれかであることが多いようです。

親世代では子ども保険に加入して満期をむかえたとき、払った保険料以上の保険金が受け取れて助かった、という経験をもつ人も多いようですが、それは予定利率が高い時期に加入したからこその話。今の時代、同じような恩恵を受けられるとはとても考えられません。

現在の子ども保険の予定利率はせいぜい1%台。それも、例えば毎月1万円の保険料を支払ったとしても、そこから保障部分のお金が引かれ、残りの額を1%で運用するというやり方です。これなら普通に貯金しておいたのと、結果的に手にする金額はそれほど変わりはないでしょう。

さらに子ども保険の場合は、加入時期によっては受け取れる保険金額が支払った保険料の総額を下回る、つまり元本割れしてしまう可能性も。ですから@将来の教育費の準備として、あえて子ども保険を利用する必要はないと言えます。

さて次にA子どもの病気やケガに備えてとの加入目的ですが、これは各自治体が行っている医療費助成制度で、かなりの部分カバーできると思います。もしも重篤な病気にかかったとしても健康保険の高額療養費制度がありますから、自己負担額はある程度でおさえることができるはず。よって、こちらについても保険に入る必然性はあまりなしです。

最後に保護者に万一のことがあった場合。子ども保険には、もしも保護者がなくなるとその後の保険料の支払いが免除され、商品によっては年金も支払われるという特徴があります。けれど保護者が別に生命保険等に入っているなら、そちらから保険金が下りるはず。重ねて子ども保険にも入っておく必要があるでしょうか?

加入目的@ABいずれの点から考えても、子ども保険に加入する必要性は決して高くないと言うことができそうです。

2011年08月10日

自動車保険の見直しも

住んでいる地域によっては、自動車の所有は必要不可欠。けれど駐車場代にガソリン代、自動車保険に税金など、どうしても維持費が高くついてしまいます。大型車を所有している人もそれが趣味だというのでない限り、必要があってその車種を選んだのでしょうから、簡単に小型車あるいは軽自動車への買い替えをすすめるわけにもいきません。

そこで見直したいのが自動車保険。最近では「あなたの保険、安くなります!」と盛んにCMなどで訴えていますが、それでも何となく今まで加入していた自動車保険をそのまま更新してしまっている人も多いのではないでしょうか。手続きその他が面倒くさいという気持ちもわかりますが、これはやはりもったいない。

今の自動車保険はリスク分散型が主流になりつつあり、用途や走行距離によって大きく保険料が変わります。@等級、A年齢条件、B家族限定、C年間走行距離、D使用目的の5つのポイントを再チェックして、より安く、より自分に合った保険をつくっていきましょう。なお、保険契約の際には代理店を介して加入する場合と通販を利用する場合がありますが、一般的には通販のほうが割安です。

※@等級

自動車保険は過去の保険事故歴に基づいて保険料が決められます。つまり、事故をいっさい起こしていないセーフティードライバーはそれだけ優遇されるということ。交通安全は社会のルールですが、ドライバーにとって得になることもあるのです。この仕組みは、ノンフリート等級別料率制度といい、等級区分は1~20等級まで。もっとも保険料が高くなるのは1級ですが、初めて保険契約をする場合は通常6等級に設定されます。その後1年間無事故なら翌年の等級は1ランクアップ、もし事故を起こしてしまうと事故1件につき3等級分ダウン。等級が上がるにしたがい保険料は安くなっていくので、常に安全運転を心がけることは、自分自身でより割安な保険をつくることであると言えるでしょう。ちなみにこの等級は、前契約が終了した翌日から7日以内であれば、保険会社を変えても引き継ぎ可能です。

2011年08月08日

保険に入るなら厳選して2

以前は高額療養費制度の適用を申請しても、実際にお金が支給されるまで数ヶ月かかっていたのですが、現在では事前に全国健康保険協会から「健康保険限度額適用認定証」の交付を受けていれば、費用の支払い時に自動的に制度が適用されて実際の負担額のみ支払えばいいようになりました。

また、CTスキャンやMRIといった高度な医療技術、肝臓移植なども健康保険の対象内。よく「高度先進医療には保険が利かない」と言いますが、保険が利かないような治療が必要になることはあまり多くありません。むしろ頻繁に必要とされる治療だと認められるようになれば、健康保険の対象になっていくでしょう。これだけ「使える」健康保険にすでに加入しているのですから、まずはこれを活用するのが第一。その他の保険はあくまで不足分をカバーするためのものと位置づけるのが正解です。

民間会社が扱う保険はいろいろな機能をもった保険が組み合わされてひとつの商品となっているため、簡単に分類することができません。そこでここでは保険に入る目的を考えて、入院時などの費用をカバーする医療保険、残された遺族のための死亡保障、老後の資金を補填するための年金保険の3つについて考えてみました。

医療保険。国民健康保険があれば、別途医療保険に加入する必要はそれほどありません。「それでもやっぱり心配」というなら、保険料がお手頃な共済やネット生保などを利用することをおすすめします。保険によっては非喫煙者割引を設定している場合もありますから、煙草を吸わない人はその点もチェックするのを忘れないように。また、ガンや女性特有の疾病など、特に不安に感じる部分だけをピンポイントでカバーするという方法もあります。

死亡保障。残された家族に不自由な思いをさせないためにと、多くの人が死亡保障額を気にします。もちろんその額は大きいに越したことはないでしょうが、高額の死亡保障を付帯すると保険料もそれに比例して高くなるのが一般的。保険料を適正額におさえるには、必要になる保障額をきちんと知らなければなりません。妻が定年まで働き続けるとすれば、女性の平均寿命であるおよそ86歳まで生きたとしても死亡保障を用意しおく必要はありません。しかし夫の死亡後仕事を辞めてしまうと収入は公的年金のみとなり、4000〜5000万円程度の保証が必要となります。もしも夫名義の住宅ローンが残っていたとしても、団体信用生命保険に入っていれば残額は相殺されてなくなるので大丈夫。

年金保険。年金保険には定額型と変額型がありますが、実は定額型はあまりおすすめできません。このタイプは契約時に定めた予定利率で将来の受け取り額が決まるため、今のような低金利の時代に加入するのは不利であること、将来のインフレへの対応がしにくいことがその理由です。一方の変額型は、保険料の運用実績で将来受け取る金額が増減するスタイル。インフレには対応できる可能性がありますが、運用実績いかんによっては元本割れすることもあり得ます。また、概して手数料が高く設定されているのも気になる点です。

夫婦ふたりで働いて貯金をし、きちんと年金も払って公的支援を得られる態勢をつくってあるのなら、これらは基本的に必要のない保険です。

保険に入るなら厳選して

誤解を恐れずに言えば、公的なもの以外は不要なことが多いです。突然の病気や事故、パートナーの他界など、生きていくうえにはたくさんの障害が待ち受けています。そんなとき頼りになるのが各種保険ですが、より手厚いものに、数多く入っていれば安心というわけにはいきません。いろいろなパターンの「もしも」を考えているとどんどん不安がつのり、保険の種類も増えていく…。その結果、保険料が家計を圧迫するようになってしまっては本末転倒です。

幸い、今ではインターネット上にたくさんの保険比較サイトが存在します。これらを使って保険の内容と保険料を見比べながら、本当に必要な保険だけを選び抜いて加入するようにしましょう。

ただし、わすれてはならないのは、保険はあくまでも契約によって成り立つものだということ。契約条件に反するものに対しては、1円たりともお金はおりません。途中解約すればたいてい損をすることになりますし、最悪保険会社が倒産することも考えられます。

このような理由からも、民間会社が提供する保険には頼り過ぎないのが大切。同時に出し入れ自由、使い道も自由な貯蓄に力を入れて、この先の「もしも」を乗り切っていきましょう。

民間会社のさまざまな保険について考える前に、まずは誰もが加入しているはずの国民健康保険を見直してみましょう。

原則として医療費の3割を負担するだけで多くの治療が受けられるこの保険は、自己負担が限度額を超えるとお金が戻ってくる「高額療養費制度」を備えているなどなかなかに優秀。個人で医療保険に加入する最大の動機「長期の入院で医療費がかさむ」という心配も、かなりの部分カバーしてくれるのです。

それでは実際入院したときにはどれくらいの費用がかかるのか、(財)生命保険文化センターの資料をもとに確認してみましょう。

胃ガンで36日間入院・手術をした場合、初診料から入院費までの医療費総額はおよそ255万円です。そのうちの自己負担額は医療費だけで約20万円。その他の自己負担費用を含めると、約50万円になりました。ただし、個室を希望したため発生した高額療養費制度の対象となる差額ベット代を除けば、自己負担額はぐっと下がって約35万円。思ったよりも少額で済むのです。

2011年04月16日

自動車保険を見直し、自動車コストを削減する

長年にわたり保険料負担をしていながら、多くの人は利用することのない自動車保険。「保険料を安くできれば…」の思いは誰しも共通でしょう。ですが、工夫次第で自動車保険料を大幅に安くすることはできる。以下にそのポイントを記します。

通販保険は安いが、代理店扱いの契約でも契約内容次第。まず、保険料の安さが何より重要なら、通販自動車保険に切り替えればいい。保険料の安さは圧倒的です。ただ、契約手続きや事故対応で、保険会社と直接やりとりをすることになります。自分の都合で、各種手続きや事故対応の進捗状況にアクセスできるシステムは合理的ですが、向き不向きはあるかもしれません。

一方、これだけ通販自動車保険が普及した現在でも、9割方の自動車保険は損保代理店で契約されています。保険商品の説明を直接対面で聞くことができたり、事故時に保険会社への橋渡しを頼めることは、やはりいざという時だからこその安心感につながっているのでしょう。

ただ、どのような対応やサービスを実施するかは代理店により異なります。現状では代理店を通じて加入するケースがほとんどですが、「どの代理店で契約するか」を考える人は少ない。言うまでもなく私たちが支払う保険料には代理店マージンが含まれるから、コスト高でも納得できるサービスを行う代理店の見極めが必須となります。

では、どう見極めたらよいのか。代理店といっても自動車ディーラーや不動産業者その他、いろいろです。兼業代理店も多いです。そこで保険代理店を専業としているプロの代理店を選ぶことをおすすめします。知人・友人から信頼関係のある代理店を紹介してもらうとか、支社に直接依頼して紹介を受けるのもよいでしょう。

ところで、代理店を通した契約では、保険料が安くならないかというと、そうではありません。契約内容次第で保険料は大きく変わってくるから、勧められるままに契約しないことが第一歩です。

一見複雑な自動車保険も、基本構成はシンプルなものです。基本補償を手厚くし、一方の特約は不必要なものを削ぎ落とせばいいのです。基本補償で最重要なのは対人・対物賠償部分です。損害額の予測は不可能だからいずれも無制限にしておく。自分のケガの補償については、示談交渉を待たず治療費等が実費補償される人身傷害保険を3000万〜5000万円程度にしておけば、おおむね問題はないでしょう。

マイカーの損害についても補償が必要な場合には、車両保険が必要ですが、高額のクルマ、あるいはオートローンが相当額あるなどで、損害を受けると家計へのインパクトが大きくなるようなら契約しておく。任意保険の契約をしていないといったケースで、事故の相手方から補償を受けられないときも、車両保険は有効です。

一方、各種特約は事故時の費用を上乗せするなどして基本構成を補完するものが多いです。1つ1つの補償金額はさほど大きくなく、保険料もわずかですが、「チリも積もれば山」。必要なものだけを残し、家計の範囲で対応できそうな補償は削ぎ落としましょう。

マイカー保有は10年間で1000万円の支出にも。ただ、自動車保有にはそもそも多額のコストがかかるので、自動車保険の見直しだけでは支出削減には限界があります。東京都区部の場合、自動車保険はもとより、駐車場、自動車税、ガソリン代、車検・整備代、洗車代、部品代など負担は月あたり7万〜10万円程度、すなわち年間では100万円前後、10年なら1000万円です。乗るほどにコストはかさみ、ローン購入なら負担はさらに大きくなります。

そこで、公共交通網の整備された都市部の終末ドライバーなら、マイカーの保有自体を再考してはどうでしょう。少ない負担で車の利便性を享受できるクルマの共同利用システム「カーシェアリング」の普及が急速に進んでいるからです。現在では多くの企業・団体が事業化しサービスを提供しています。

レンタカーとは異なり、クルマの受け渡しは最寄りの無人車両ステーションで行い、ICカード等がキーとなります。予約した会員は15〜30分単位からクルマを使えます。各社で異なりますが、利用料金はおおむね入会金(5000円程度)と月会費(2000円程度)、あとは利用時間に応じた15分あたり百円単位の課金。マイカー保有とはとても比較にならないでしょう。

10年間で1000万円の支出があるとないとでは、将来の家計に大きな差が生まれることは、言うまでもないでしょう。

2011年04月15日

火災保険の見直しで68万円の「埋蔵金」。直ちに見直しに着手する

「とりあえず入っておきさえすれば」という感覚で契約されるが火災保険です。住宅購入時に手続きをする人も多いです。住宅購入資金から比べると、一括でも30〜100万円程度と少ない保険料だからか、さまざまな手続きとともに印鑑を押した記憶はあるものの、内容はさっぱりという人が多いでしょう。

しかし、火災保険を見直すと、保険料が抑えられ、契約内容がわかりやすくなり、さらに「埋蔵金」まで発見できるケースもあります。以下にそのプロセスを記します。

わが家の災害リスクを見極め、保障を絞り込む。そもそも火災保険は、火事のほか落雷や風水害といった自然災害による被害をカバーする商品です。パッケージ商品が一般的で、複数の補償がセットされている。災害リスクは地域の特性や立地、建物の状況などにより大きく変わるにもかかわらずです。補償が手厚くなれば保険料は当然割高になります。補償が複雑でわかりにくくなれば、保険金の請求漏れを起こしやすくなります。一見安心なようで、複数の補償がセットされたパッケージ商品のメリットは少ないのです。

まずは、わが家の災害リスクを見極めることから始めましょう。住まいの災害リスクは、自治体作成の「ハザードマップ」で確認を。住む建物でも災害リスクは変わります。たとえばマンションの高層階なら通常は水害の危険はありません。免震建物なら地震被害に遭いにくいはずです。

一方、家屋が密集する地域の非耐火・非耐震の木造家屋は、被害を受けやすいかもしれません。その場合は、自治体が行う耐震診断・改修、そしてそのための補助金や税控除が利用できる可能性があるので、火災保険の前にまず調べた方がいいでしょう。特に昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅は対処が必要です。

このように被害を予測して、損害を最小限に抑えるための対策を講じ、その上で損害発生時の経済的リスク対策として火災保険を考えるべきでしょう。

30年契約なら15年後でも半分の保険料が「埋蔵金」に。補償に優先順位をつけたら、希望する補償だけで契約が可能な火災保険に契約をし直す。ただし、前述のように火災保険はパッケージ商品がほとんどで、補償選択には残念ながら限界があります。一方、補償が完全に自由に選べる火災保険もあります。

新たな契約をしたら、今までの火災保険は解約する。未経過期間分の保険料は戻ってくるから損はありません。これが「埋蔵金」というわけです。

住宅ローンを組んだ時に契約した火災保険は見直せないと思っている人が多いですが、契約途中でも見直しや解約はできます(※特約火災保険など質権付きの契約では制限が設けられていることがありますので事前に確認する必要があります)。

2011年04月12日

医療費の準備は「貯蓄」が王道。保険給付の限度はたった100万円程度

1ヶ月100万円かかっても自己負担はわずか9万円。保険証を提示することにより、全国どこでも必要な治療が公定価額で受けられる公的医療保険。医療機関の窓口で払うのはかかった医療費の3割など、所定の自己負担割合です。1ヶ月当たりの自己負担額が高額になれば、所定額を超えた部分が後日戻ってくる「高額療養制度」があり、1ヶ月に100万円の医療費がかかっても自己負担額は約9万円で済みます(所定区分一般)。

また、高額療養費に該当する月が過去1年間で4回以上あれば、4回目からは自己負担する限度額が下がる。入院の場合に限り、事前に所得区分の分かる認定証を医療機関に提示すると、自己負担が8万100円(所得区分一般)を超える医療費については1%だけを支払えばよいのです。つまり、後日還付請求をする必要がありません。

公的年金には障害保障機能がある。国民年金や厚生年金などの公的年金には障害保障機能があります。病気やけがで障害者と認定されると、その障害が続く限り障害年金が支給されます。内臓疾患や精神疾患でも対象となります。派手に広告宣伝をする保険商品と違って、公的保障は意識に上らないことが多いのですが、自ら手続きをしなくてはもらえないものもあるので知らなきゃソンです。

支払条件を満たさないと民間の医療保険はもらえない。将来の医療費を心配し、民間保険会社が販売する医療保険に加入したいと考える人が増えていますが、保険と貯蓄はまったく仕組みが異なります。貯蓄であれば名義人自身のものなので、使うか使わないかは本人が判断できます。

一方、保険の場合は、契約で決められた支払条件を満たした時しか給付は受けられません。入院給付金支払の対象となる入院は、治療のために病院や診療所に入院することであり、通院や在宅療養でも可能な治療ではなく、「自宅等での治療が困難なため、常に医師の管理下において治療に専念する」ことを言います。手術給付金は契約で決められた手術が対象であり、どんな手術でも支払われるわけではありません。

医療費への備えは、通院でも入院でも介護施設でも在宅でも、支払条件に縛られず自由に使える貯蓄を中心に行い、医療保険は貯蓄を補う程度のものと位置づけることが望ましいです。

保険料負担で貯蓄が増えないのは本末転倒。医療保険の入院給付金は入院していればずっと支払われるものではありません。1入院で支払われる日数に限度があり、商品によって60日、120日、180日などと決まっています。一度退院して、同じ理由もしくは医学上重要な関連のある病気で再入院した場合、1入院とみなされます。

ただし、前回の退院日の翌日から再入院までに180日を超えていれば別の入院とみなされます。

日額5000円程度に入院給付金を目安に、できるだけシンプルで割安なものを選ぶよう心がけるといいです。複雑な商品は保険料が高くなり、請求漏れになる可能性もあります。保険料負担で貯蓄が増えないという本末転倒な事態も避けられます。

また、保険料が高いと、収入が減少したり、入院や在宅療養などで出費が多くなったとき、続けることが重荷になってしまうかもしれません。病気療養中では安いものに替えようと思っても不可能です。支払が大きな負担にならない程度の保険料に抑えておくことも危機管理の一つです。

ライフプランや医療制度に合わせて見直しを。今後の医療制度がどうなっていくかも重要な点です。厚生労働省は医療費抑制のために、平均入院日数を短縮することを医療機関に求めています。医療技術の進歩によって、以前は入院して治療を受けていたものが、通院で受けられるようにもなっています。

一度加入したとしても、時代にそぐわなければ見直しをしなくてはなりません。また、子どもが成長し、ある程度資産形成もできてくれば、保険に頼らなくても自分の力で医療費を賄えるようになるでしょう。あらゆるものが変化することを前提に、貯蓄と保険を組み合わせて準備することが賢明です。そのためには、終身の医療保険ではなく保険料の安い定期タイプを、貯蓄ができるまでのつなぎとして利用するのが合理的です。

「貯蓄」は不払いのない万能の保険。保険の見直しで投資のタネ銭をひねり出す

お財布の中にあるお金は個人のものですが、保険会社に払った保険料は契約者共通の財産となり、私たちの自由になるものではありません。保険とは契約です。契約で決まった支払条件を満たしたときに、契約で決まった現金が共通の財産から給付されます。多くのお金を共通の財産につぎ込んでしまうと、それ以外に回すお金が足りなくなり、新たなリスクを引き起こすことになりかねません。

たとえば住宅の頭金に回すお金が不足し、借入金が大きくなると返済期間を長くせざるを得なくなり、リタイア時に完済できないとか、必要なときに必要なお金が準備できず、ローンに頼る家計になってしまうなど。このような積み重ねがめぐりめぐって老後の生活に悪影響を及ぼします。

保険料を大幅に減らすことができれば、暮らしを変えることなく投資に回すお金を捻出できる。次のチェックリストに一つでも思い当たることがあれば、保険料が減らせる可能性大です。

・保険金額を決める際に遺族年金を考慮していない
・保険金額を決める際に死亡退職金を考慮していない
・保険金額を決める際に貯蓄を考慮していない
・保険加入後に住宅を購入した
・保険加入後に妻が働き始めた
・どんなときに保険金を受け取れるか分からない特約がある
・死亡時にいくらかの保険金が受け取れるか分からない
・更新時期には保険料がアップする

「今」の適切な保険金額を計算してみましょう。目安の保険金額は、現時点で亡くなった場合、資産と負債がいくら残るのかを考えてみればわかります。そのためには、万一のことが起こったとき具体的にどのような行動を取るかをイメージすることから始めてみましょう。たとえば、

・今の持ち家に住み続けるのか、実家に戻り親と同居するのか
・両親の援助がどの程度期待できるのか
・残された家族の収入があるのかないのか
・子どもの教育方針はどうするのか

各家庭に応じた現実的な前提をもとに、万一のときに残る資産を計算する。現在の貯蓄額や勤務先から支給される死亡退職金・弔慰金など以外にも、持ち家を売却して子どもを連れて実家に戻るという選択をすれば、資産売却の項目に計上できる。

次に負債の計算。住宅ローンの契約者が死亡した場合、団体信用生命保険(団信)で清算されるため、ローンは残らない。団信のない借金や葬儀費用など住まいを変える場合は引っ越し費用や賃貸契約に必要な資金を必要に応じて見込む。不足すると思われる日常の生活費や、家族のために残しておきたい資金も負債として計上する。

資産と負債のそれぞれを計算したら、資産から負債を差し引き、資産だけでは賄いきれない負債額を求める。このマイナスの数字が目安となる保険金額です。ときどき、このステップに従って計算を進めていくと、最終的な数字がマイナスにならないケースがあります。これは保険金に頼らなくても、すでに自力で準備が終了しているということで、喜ばしいことです。

保険金はだんだん減らしていける。ところで、この保険金額は現時点での目安の数字であり、毎年変化していくものです。たとえば、日常生活費の不足額は、1年経過すれば1年分減らせるし、貯蓄が増えれば資産合計額が増える。勤続年数が増えれば死亡退職金や遺族厚生年金が増える。妻が働き始めると生活費の赤字が減るか、もしくはなくなる。これらはすべて保険金額を減らせる要素です。

同じ保険金額のまま長く契約を続けるのではなく、住宅購入や子どもの進学といった節目には適宜保険金を下げていき、保険料負担をどんどん軽くしていくことが合理的な保険との付き合い方です。

日本は世界有数の長寿国。おそらく保険金によって責任を果たすよりも、生き続けて責任を果たさなくてはならない確率のほうがはるかに高い。責任を果たす前に不幸にして万一のことがあったとき、保険金によってその肩代わりをさせるのが保険の役割です。保険料が割安で見直しがしやすいシンプルな保険選びを心がけることが、早期に保険から卒業し、自前の保険である「貯蓄」や「資産」を築く近道です。

たいした収益はないのに資金拘束される定額個人年金保険はやめましょう

「個人年金」といえばこの「定額個人年金保険」を指すほど、かねてよりポピュラーな商品。予定利率が5.5%もあった93年3月以前加入の契約は「お宝保険」ですが、5年ごと利差配当タイプでも1.65%まで下がった01年7月以降の契約は、もう魅力がありません。にもかかわらず、人気があるのはなぜでしょう。

まず、「年金」という名前の安心感でしょう。いかにも公的年金の不足を補完してくれそうです。また、契約時に基本年金額がわかっているので、必ずもらえるという安心感もあります。

途中解約は大きな元本割れに。しかし、本当に公的年金を補完するには「10年確定年金」のような、受取期間が決められているものでは不完全。預貯金を自分で10年にわたって取り崩すのと何ら変わりはありません。生きている限り年金が受け取れる「終身年金」なら補完が可能ですが、現状では保険料が高くなっている上、比較的若いうちに亡くなることがあれば、保険料支払総額より受取年金額のほうが少なくなる。つまり、元本割れとなるわけで、加入はお勧めしません。

現状、保険料の負担感が少ない「10年確定年金」の加入が多いですが、支払保険料を積立に換算した利回りは、40年間の年平均利回りが0.8%程度です。もう少し利回りアップを狙える運用方法は、他にいくらでもあるでしょう。

また、途中解約した場合、ほとんどの契約例で年金受取開始直前まで元本割れを起こします。一度入ったら続けないかぎり元本割れを覚悟しなければならなくなるわけです。いうなれば、たいした収益が狙えない金融商品に、大事な資金を拘束されることになります。

若い世代は資金手当が必要なプランが目白押し。それをクリアしてこその老後です。入り用に柔軟に対応できるよう、現金化しやすい金融商品を組み合わせての運用が大切です。

2011年02月14日

子どもに保険をかけるのは、やめましょう

子どもが生まれると、生保の子ども保険や郵便局の学資保険に加入しなくてはいけないと思い込んでいる人がいるようです。でも、これからは、加入しても有利ではありません。

子ども保険は、名前に子どもとついているのですが、実際にはお父さんの保険。保険料を払っている大黒柱のお父さんにもしものことがあって保険料を支払えなくなっても、その後の保険料の払込みが免除されたり、保険によっては年金が支給される仕組みになっています。

ですから、そもそもお父さんが元気で長生きしたり、死んだとしても家族が路頭に迷うようなことがなければ、わざわざ加入しなくてもいい保険なのです。子ども保険には、子どもの病気やケガに備える機能と、進学する時にお金が貯まっているという機能がついています。

ただ、子どものケガや病院での入院については、自治体がかなりのところまでカバーしています。たとえば、東京23区内では、中学校3年生まで子どもの医療費は無料。ですから、わざわざ保険に入ることはないでしょう。

進学する時のお金を貯める機能については、通常の貯蓄型の保険同様に、運用利回りが低すぎて有利とは言えません。

たとえば、15歳になると200万円もらえる学資保険み、生まれたばかりの子どもを加入させたとします。保険料を支払う父親が30歳で、保障よりも貯蓄を重視したタイプに加入すると、保険料は月1万1220円。この金額を払い続けて、15年後に200万円受け取るまでに支払う保険料の総額は、201万9600円です。

201万9600円も支払って200万円しかもらえないのでは、貯蓄として有利だとはとても言えないでしょう。

民間の子ども保険の中には、払込額よりももらえる額が多くなるものもありますが、ただ、18年の積立貯金として計算すると、有利に増えるとは言いがたいです。だとすれば、18年間ずっと保険で積立をしていくより、現金で貯めたほうがよいのではないでしょうか。

お金がなくても保険に入り続けたいなら払い済みにする

生命保険は、保険料が払えなくなると保障が失われます。これを失効と言います。ただし、保険料が払われないからといって、すぐに失効になってしまうわけではありません。なぜなら、うっかり保険料を払い忘れている人もいるために、そういう人の契約をいちいち失効にはできないからです。そこで、保険料が支払われなくても一定期間は保障が続く、猶予期間が設定されています。

この猶予期間は、月払い契約だと、振込期月の翌月1日から1ヶ月間。これを過ぎると、貯蓄機能がない定期保険などは、失効します。ただし、終身保険や養老保険など、解約すれば解約返戻金が戻ってくるような貯蓄機能のある保険では、解約して戻ってくる金額の範囲内で、毎月自動的に保険料が貸付けられて保険が続きます。

また、解約返戻金がある保険なら、延長保険として、今まで入っていた保険と同額の定期保険を買うことができます。ただし、保障されている金額はこれまでと同じですが、保障期間が元の契約より短くなるか、長くても同じということになります。

払済保険といって、解約返戻金で保険期間はそのままに、より小型の保険に変更することもできます。ただし、変更できる保険、できない保険など、様々な条件があり、今までついていた特約がなくなるなど、いろいろなケースが出てきます。

生命保険は、保険料の安さで選ぶ

生命保険はアフターフォローがほとんどない商品です。アフターフォローがないなら、保険料が少しでも安い保険が、よい保険ということになります。

月々3000円の保険料で死んだ時に1000万円もらう保険よりも、月々2500円の保険料で1000万円もらえる保険のほうが、加入者にとってはよい保険ということになります。だとすれば、少しでも少ない支払いで大きな保障をつけてくれる商品がいいということになります。少ない保険料で大きな保障をつけるには、中間マージンなどを徹底的に減らさなくてはなりません。

保険のおばさんが売っている保険よりも、インターネットで販売している保険のほうが安くなっているのは、保険会社の運営手数料が少なくて済むからです。ただ、同じインターネットで販売している保険でも、保険料の差はありますから、よく比較してみましょう。

すでに保険に加入している人なら、保険料はまとめて払えば安くなります。保険料は月払い、半年払い、年払い、全期前納、一時払いと、支払いをまとめればまとめるほど安くなります。さらに、毎月集金に来てもらっている人は、銀行口座引き落としにするだけで、1.5%安くなります。これを半年払いにすると、集金払いに比べて2%割安。1年分をまとめて払う年払いにすると、4%も安くなります。もし、月々4万円の保険料を毎月集金に来てもらっているとしたら、銀行口座から年払いにすれば、年間2万円近いお金が浮くことになります。

すすめられるままに保険を見直さないこと

生命保険は、アフターフォローがない商品。死んだ時や、病気になったらお金がでますが、何もしなくても会社がお金を振り込んでくれるわけではありません。死亡診断書や入院証明書などを取り寄せて、保険会社に請求しなくてはならないのです。つまり、入った後のことは、被保険者や受取人が自分でしなくてはならないのです。つまり、入った後のことは、被保険者や受取人が自分でしなくてはいけないのです。

ところが、アフターフォローと称して、「そろそろ保険を見直したほうがいいですよ」と、保険のおばさんがやってくる。でも、注意しなくてはいけないのは、この見直しで、保険の価値が下がってしまうケースが多いことです。

保険は、入った時の運用利回りで、最後まで運用されていきます。93年3月までは5.75%と高かったのですが、99年4月からは2%、現在では1%ちょっとになっています。

低金利なので、1%ならいいと思う人もいるでしょう。けれど、貯金なら、払い込んだお金がそのまま貯金されて増えますが、保険ではどんなに貯蓄性が高いものでも、まず1万円の保険料から保険の運営経費が引かれ、さらに死亡保障のお金が引かれ、残りが1%で運用されていくのです。

ですから、過去に入った運用利回りが高い保険は、最後まで大切にしたほうがいい。「見直しましょう」の一言で、何も考えず解約して新たな保険に入るのはやめましょう。新たな保険とは、利回りが低い保険です。保険会社には、利回りが下がるのは嬉しいことですが、加入者にとっては損してしまうかもしれないので注意が必要です。

掛け捨てが嫌なら、入れる保険はありません

よく、生命保険に入る時に「掛け捨ては損な気がするので、後からお金がもらえるほうがいい」という人がいます。何となく、掛け捨ては損というイメージ持っているからでしょう。でも、生命保険に入る以上、必ず掛け捨ての保障をつけなくてはなりません。掛け捨て部分がない生命保険などは、ありません。

生命保険で約束される保障は、大きく二つ。死んだ時にお金が出る死亡保障と、入院した時にお金が出る医療保障です。この二つの保障は、両方とも掛け捨てです。なぜなら、生命保険は、年間にみんなから集めたお金を、その年に不幸な目に遭った人に渡すクジのようなシステムを基本としているからです。そして、この死亡クジ、入院クジは、ハズレたら戻ってこない掛け捨て。ただし、予定よりも死んだり入院したりする人が少なかったら、そのぶんは、その年のうちに配当というかたちで加入者に戻されます。

では、なぜ、掛け捨てでない保険が多いのか。これは、掛け捨ての死亡保障、医療保障に、満期や解約した時にお金がもらえる貯蓄保障がついているものが多いからです。こうしたものを掛け捨て保険と対比して、貯蓄型保険と言いますが、では、この貯蓄型保険は掛け捨て保険に比べて、今入るならお得でしょうか。

答えはNO。なぜなら、今は、貯蓄の運用利回り(予定利率)が低すぎて、貯金したものが増えないどころか目減りしてしまうケースさえあるからです。

だとすれば、これから保険に入るなら、保険は掛け捨てで必要なだけの保障を最低限の保険料で買い、貯蓄は別に現金でしたほうがいいということになります。

ただし、保険で貯金するのが損なのは、これから入る人の話。すでに保険に入っている人の中には、利回りが高い時期に加入している人がいます。保険は、入った時の運用利回りで最後まで運用されます。

これから入るなら、保険は掛け捨てで最小限。すでに保険に入っている人は、自分が加入した保険の運用利回りを聞いて、3.75%以上だったら、お宝保険だと思って大切にしましょう。

保険は若いううちに入ったほうがお得はウソ

新入社員で会社に入ると、さっそく保険のおばさんがやってきて、「保険料が安い若い今のうちに、保険に入っておいたほうがいいわよ。後になるほど、保険料は高くなって損だから」などと、パンフレットを見せながら加入攻勢をかけてきます。でも、その話を鵜呑みにして、加入してはいけません。

確かに、若いと生命保険の保険料は安いです。でもそれは、若い人ほど死んだり病気になったりする確率が低いからです。

たとえば、25歳の男性を見ると、一年間に死亡する人は1万人の中でたった8人。死亡確率でいえば、0.00082%です。ところが、50歳になると、同じ男性でも年間に1万人中37人亡くなります。死亡確率は0.00365%で、なんと若い男性の約5倍も亡くなる確率が上がります。

生命保険は、基本としては、同じ年齢、性別の人をグループにして、みんなでお金を出し合い、その中で不幸な目に遭った人にお金をあげるシステム。それも、一年ぽっきりで清算されるクジのようなものです。

仮に、25歳の男性が1万人のグループをつくり、その中で年間に死亡した8人に1000万円ずつ支払うとすると、1人が払う保険料は年間8000円。けれど、50歳の人のグループだと、年間に37人亡くなるのですから、ひとり1000万円ずつ渡すとなると、加入者からは年間3万7000円の保険料を集めなくてはなりません。死亡確率が約5倍上がっているので、保険料も約5倍になっただけです。

公的な健康保険があれば、医療費はそれほどかかりません

最近は、死んだ時よりも病気になった時を心配する人が増えています。なぜなら入院すると、とんでもなくお金がかかるというイメージがあるからです。

けれど、公的な健康保険に加入していれば、医療費の自己負担は、多くて3割。ということは、入院で一ヶ月100万円かかっても、自己負担は30万円。しかも、実際には、支払うお金はもっと少なくなります。なぜなら「高額療養費制度」を使えば、自己負担が一定額を上回ると、上回った額を返してもらえるからです。

「高額療養費制度」を使うと、健康保険対象の入院なら、半年入院しても費用は40万円程度になります。しかも、半年も入院する人はまれで、8割以上は一ヶ月以内に退院しています。

ただし、個室でないと嫌だという場合には差額ベット代がかかるし、健康保険の対象外の高度先進医療は、全額自己負担。こう聞くと、健康保険は高度な医療に対応していないのでは、と思われがちですが、CTスキャンやMRIなどの高度な医療技術も、健康保険の対象。

保険がきかない高度先進医療というのは、いわばまだ実験段階の治療で、多くの人に求められる治療と認められれば健康保険の対象になります。大多数の人の病気は、健康保険で対応できるということです。

生命保険で多額の死亡保障は、必要ありません

まず、どんなことが心配で生命保険に入りますか。一番の心配は、大黒柱のご主人が他界した後に、残された家族が路頭に迷うことではないでしょうか生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」を見ると、死亡保障額は3000万円から5000万円という男性が最も多く、全体の18.6%を占めています。

けれど、こんなに多額な死亡保障が本当に必要でしょうか。まず、サラリーマンのご主人が、専業主婦の奥さんと小さな子どもたちを残して他界した場合、現行の制度では、子どもが18歳になるまで、国から月々15万円前後の遺族金がでます(妻の年収が850万円未満の場合)。さらに、住宅ローンがあっても、借りる時にほとんどの人は団体信用生命保険に加入しているので、これで残りの住宅ローンはなくなります。

ローンのない家に住み、月々15万円前後もらえたら、奥さんがちょっとパートに出かければ、何とか生活していくことはできるでしょう。

けれど心配なのが、教育費。教育費は、大学まで出すと、一人1000万円くらいかかると言われています。ただ、民主党政権になって子ども手当てが支給されます。小学校、中学校は義務教育でそれほどお金がかからないし、高校も無償化されます。

だとすれば、生命保険でそれほど多額な死亡保障を確保しておく必要はなくなります。そのぶんは、しっかり現金で貯金しておきましょう。
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